ワーケーションはいつもと違う環境で仕事をして、オフタイムはその土地の空気に触れてリフレッシュすることが大事です。
オフタイムの楽しみとして、今伊東市が提供に力を入れているのが「ボッチャ」。
家族でも、会社単位でも、複数人がいればオフタイムが盛り上がること間違い無しのボッチャをもっと広めるために、
多様なバックボーンを持つ方々にモニターツアーに来ていただきました。
そして、伊東市のボッチャとワーケーションの試みについてご意見をいただきました。
(開催日 2023年1月27〜28日)
参加者の皆さん
今回のモニターツアーには多様なバックボーンを持つ方が参加してくださいました。
トヨタ自動車、筑波大学、アシックスジャパン、JCOM、イオン、富士通などの企業の皆さん、
また日本財団パラスポーツサポートセンター、日本ボッチャ協会の方やスポーツビジネスのメディア関係者なども参加してくださり、総数は21名でした。
1日目(1月27日)
まず、スタッフの吉田和正さん(JTB静岡支店地域交流推進担当)が全体の概要やスケジュール、開催の趣旨などを説明。
続いて、伊東市市議会議員の青木敬博氏からご挨拶。
伊東市には2020東京パラリンピックでボッチャの金メダリストとなった杉村英孝選手が住んでいます。
杉村選手は伊東市初の市民栄誉賞を受賞した、伊東市の誇りです。
これを機に、ボッチャを伊東市の宝として観光の看板商品に育てていきたい。皆様のお知恵をお貸しください
とお話しいただきました。
つづけて、JTB静岡支店地域交流推進担当、吉田和正さんよりこの4年間、伊東市がどのような観光活性事業に取り組んできたかを説明しました。
伊東市の歴史に目を向けて今一度魅力を掘り起こそうとしたブランドブックの紹介や、ブランドブックに掲載された場所をめぐるラッピングバスの運行などについてもお話しました。
自己紹介の後、今回のテーマでもあるボッチャとはどんなスポーツなのか、伊豆高原観光オフィス(IKO)の利岡正基よりルールの説明です。
そのあとは実際にプレイしていただきました。
ボッチャは、ルールブックを見たり、説明を聞いているだけだとどうやってやるのかよく分からないかもしれませんが、
やってみると「そういうことか!」と一瞬にして理解できるシンプルなゲームです。
ボッチャはボールをコートに投げ合うゲームです。ここでごくかんたんにルールを説明します。
ボッチャは2チームに分かれて行います。ジャックボールと呼ばれる標的となるボールをじゃんけんで勝ったチームがコート内に投げ入れてスタートします。チームそれぞれ、赤、青のボールを6つずつ所有します。
先攻チームのプレイヤーが、ボールをなるべくジャックボールに近くなるように投げ入れます。
交代して後攻チームがボールを投げます(転がしても投げても可)。ジャックボールから遠いほうが2投目を行い、各チーム6個のボールが無くなるまで投げていきます。
※詳しいルールは以下のURLをご覧ください!
https://itocity-tourism-brandbook.info/rule_boccia/
「なかなか難しい!」
「おっ、なかなかいいね」
一投ごとに周囲からは拍手や嘆声があがります。
この後は本来は大室山にリフトで登って頂く予定でしたが、天候不良のため伊豆高原にある「池田20世紀美術館」を鑑賞していただきました。
夜は暖香園に宿泊。
受け入れ側の伊東市のスタッフも同席し、交流の宴となりました。
温泉の後の会食は心もほぐれます。距離感も一気に縮まるのがいいですね。
2日目(1月28日)
この日はまず、ボッチャのフルコートがある伊豆介護センターからスタート。
伊豆介護センターは杉村選手の勤務先です。杉村選手が活躍した背景には、職場の応援と理解があります。
どのような形で支援してきたのか、施設としての考えや、伊豆介護センターの取り組みなどについて職員の荻野耕介さんよりお話をいただきました。
杉村選手は2016リオパラリンピックにも出場しています。
介護センターではずっと杉村選手を応援し、十分な練習ができるようなシフトにもしているそうです。
そしてボッチャがデイサービス利用者さんの機能訓練に良いことに着目し、介護センターのメニューにも取り入れているそうです。
2019年には小学生や親子が出場できる「伊東温泉ボッチャ大会」を開催、小学生大会には4〜6年生36チーム86人が参加したそうです。
杉村選手を応援しつつ、地域にボッチャを広める役割も果たしてきたことが話されました。
続いて、伊豆介護センター代表の稲葉雅之さんにご挨拶いただきました。
「伊豆介護センターは高齢者介護のほか、障がいのある方のサポート、女性、子育て支援、高齢者就労サポートなどを行っている施設です。20年ぐらい前から障がい者を採用しており、杉村選手もその流れで正社員として採用しました。彼が個人的に非常に熱心にボッチャに取り組んでいることを知り、当センターは基本的に社員がオフタイムにがんばっていることについては応援するスタンスなので、彼が集中して練習できるような働き方を提案しています」
介護センターは地域とのつながりが生命線。障害者が活躍する姿を市民に見てもらうことで良い効果が生まれるし、地域から杉村選手への応援ももらえるとのこと。
ただ、組織として杉村選手を全面に出すような、いわば広告塔にはしないようにしているとのこと。
それはボッチャ選手だから採用したわけではないから。
……など、地域とのつながりと、杉村選手が介護センターの中でどのような存在なのかお話しくださいました。
フルコートでボッチャ体験!
この後は、フルコートでのボッチャ体験をしていただきました。
「昨日のダンコーエンボウルのコートと距離感が違う!!」「ほんとだ、ぜんぜん違う!」
などの声が上がる中、昨日のプレーで体験した技を活かして楽しむ姿も見られました。
ディスカッション
最後に、5〜6人ずつ4テーブルに分かれ、そこにスタッフが1人入って伊東市の観光の現状を話しつつ
「デザインでボッチャを普及させるには」というテーマで課題解決に向けて話し合いを行いました。
「小学生をボッチャに夢中にさせれば、10何年か後には市内に広まるのではないか? 子どもにボールを作らせるところからやるワークショップを行い“自分の競技”と思えるような導線を作る……とまとまりかけましたが、最終的にはボッチャ温泉まんじゅうを作ろうという提案になりました」
「ゆるキャラを作って全国区にする。キャラ名はボイトゥッチャくん。子どもにマイボールを作ってもらう。布で作って中の素材はSDGsを意識する」
「地元新聞と協力し、ボッチャをやったことない、知らない人も巻き込むために大会を開く。伊東をボッチャの聖地にする。企業に働きかけ、福利厚生で普及させる」
「100人を目標に市民全員体験会を開催する。ストリートピアノならぬストリートボッチャを商店街に設置し、アーケードにボードを置く。最終的にはボッチャ全国大会を開催」
これらの意見を聞いてスタッフ側はどう感じたでしょうか?
「ボッチャ温泉まんじゅういいですね、すぐにでも取りかかれそう」
「実は伊東市の小学校は9校、中学校は5校です。ですから学校で普及という案は現実味がある」
「小学校で子どもがマイボールを作る案はぜひやってみたい」
「ボッチャはもともとヨーロッパで障害者のために生まれたスポーツ。それだけに誰でもできる。色んな人に向けて呼びかけられるので、交流もさまざまな形でできそう」
これらのアイディアを実現させ、ワーケーションで伊東を訪れる方々に楽しいコンテンツとしてボッチャを提供させていきたいと思います!
この後は東海館を見学したり、松川藤の広場で開催されていた「めちゃくちゃ市」などを訪れたりした後、解散となりました。
モニターの皆様、お疲れさまでした。ぜひまた伊東へお越しください!